SEO(検索エンジン最適化)とは?意味や対策を実施するメリット・デメリットを解説
SEOとは、「検索エンジン最適化」を意味します。また、SEO対策とは、検索エンジン(Googleなど)で検索した際の結果画面で上位に表示されるようにWebサイトを制作・調整する行為です。
SEO対策を実施して自社のWebサイトが検索結果画面の上位に表示されると、資料請求の件数や商品の購入数が増え、売上拡大につながります。
ただし、検索結果順位を決定するアルゴリズムは非公開であり、上位に表示させることは容易ではありません。SEO対策には、一定の労力・時間・費用がかかることを認識しておきましょう。
本記事では、SEOおよびSEO対策に関して徹底解説します。SEO対策として取り組むべき施策や、SEO対策を実施するメリット・デメリット(注意点)も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
SEO対策として優先的に取り組むべき施策
①情報の検索意図を踏まえたサイトのタイトル設定
②見出しに検索キーワードを含めたページの構造の工夫
③情報を検索する際のキーワードのタグ設定
④消費者が知りたい情報を網羅したコンテンツ作成
⑤文字コンテンツに加えて画像・動画コンテンツの活用
⑥関連性の高いページへの内部リンク設定
⑦外部サイトからのリンク設定
SEO対策を実施するメリット
Googleの検索結果順位が上昇し、サイト訪問者が増加する
閲覧者に自社商品の購入を促せる
漠然と情報を検索している消費者に自社製品を認知してもらえる
SEO対策のデメリット
一定のコスト・人員が必要
Googleのアルゴリズムは非公開であり、SEO対策は難しい
すぐには検索結果順位が上昇しない
SEO対策に関する最新情報(2025年以降に求められる施策)
AIを活用してSEO対策を実施(タグ・見出しなどを設定)
人間の目でSEO対策を仕上げてGoogle検索結果上位を狙う
SEOとは「検索エンジン最適化」という意味
SEOとは、Webサイトの内容を検索エンジン(Search Engine)に対して最適化(Optimization)する行為です。つまり、検索結果画面で上位に表示されるようにWebサイトの内容を改良することです。なお、「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。
消費者が商品・サービスに関する情報を取得する場合、Googleなどの検索エンジンで特定のキーワードを用いて検索を実施します。その上で、検索結果画面の上位に表示されたWebサイトから順番に閲覧するケースが多いでしょう。
商品・サービスの販売数・契約数を増やしたいのであれば、自社のWebサイトを多くの消費者に閲覧してもらうことが重要です。そのためには、SEO対策、すなわち、なるべく上位に表示されるようにWebサイトの内容を調整する作業を実施しなければいけません。
SEO対策とは、Googleの検索結果順位を上昇させる施策
SEO対策とは、検索結果画面で自社のWebサイトが上位表示されるように制作・調整する行為です。消費者は、検索エンジンを用いて特定のキーワードで検索し、結果画面の上位に表示されているWebサイトを訪問します。売上や契約数を増加させたいのであれば、上位表示される対策が不可欠です。
ただし、検索エンジン開発企業(Googleなど)は、どのようなルール・アルゴリズムで順位を決めているのかを公開していません。
少しでも上位に表示されるように試行錯誤し、タイトル・見出し・本文などの内容を調整する必要があります。なお、「このような対策を講じれば、上位に表示されやすい」などの傾向は知られています。
闇雲に作業するのではなく、過去の経験から判明している傾向を踏まえて施策を実施しましょう。
SEO対策として優先的に取り組むべき施策
検索結果順位決定ルールが非公開である以上、「絶対に成功するSEO対策」は存在しません。しかし、以下で紹介する施策に取り組めば、上位表示されやすくなるでしょう。
①情報の検索意図を踏まえたサイトのタイトル設定
SEO対策では、消費者の検索意図(何を知りたいのか)を踏まえた、Webサイトの適切なタイトル設定が重要です。上位記事のタイトルを参考にした上で、サジェストキーワードも盛り込んで各ページに相応しいタイトルを設定しましょう。
サジェストキーワードとは、あるキーワードを入力した際に、不特定多数の入力履歴などを踏まえて自動的に表示される関連キーワードです。
例えば、「パソコン」という検索キーワードを入力すると、「パソコン 安い」「パソコン CPU」などのサジェストキーワードが表示されます。サジェストキーワードを踏まえ、以下に示すようなページを制作してください。
- 「パソコン 安い」で検索した消費者に向けて制作するページ
- 「パソコン CPU」で検索した消費者に向けて制作するページ
それぞれのページを制作する際は、タイトルにサジェストキーワードも含めましょう。前者に関しては、検索意図を踏まえて「価格を知りたい消費者」がクリックしたいと感じるタイトルを設定しましょう。
また、後者に関しては「CPUの性能などを知りたい消費者」がクリックしたいと感じるタイトルを考案してください。
なお、タイトルの文字数は、検索結果画面に全部(または大部分)が表示されることを考慮し、30~40文字程度に設定するべきです。デバイスによって表示文字数が異なるため、タイトル後半が表示されなくても内容を把握できるように、前半部分にキーワードを盛り込み文字数も留意しましょう。
②見出しに検索キーワードを含めたページの構造の工夫
タイトルだけではなく、上位表示されているコンテンツを参考にして、見出しにも対象とする検索キーワードを含めましょう。どのような見出し順序(構成)なのかをチェックし、自社サイトの構成に反映してください。競合サイトの内容を効率的にチェックできるツールの活用も検討しましょう。
なお、競合サイトの構造を参考にすることは重要ですが、丸写し(コピー&ペースト)してはいけません。
③情報を検索する際のキーワードのタグ設定
タグとは、Webサイト上で、特定の部位に「タイトル」「見出し」などの要素を設置するための目印です。様々な種類があり、Webサイトを記述する言語であるHTMLで用いられます。
例えば、「titleタグ」(<title></title>)で囲まれた部位は「Webサイトのタイトル」であることを意味します。「metaタグ」は、HTMLファイルの<head>~</head>に記述するタグです。検索エンジンに対し、Webサイトの情報を提供するために用いられます。
タグには、消費者が情報を検索する際に用いるキーワードを含めましょう。ティスクリプションの内容は、検索結果順位を向上させる上で重要です。ディスクリプションとは、Webサイトの内容に関する短い説明文です。検索結果画面に表示され、検索エンジンにページのテーマやキーワードを伝える役割があります。
検索結果画面を閲覧した消費者も、ディスクリプションの内容を踏まえてWebサイトを閲覧するかどうかを判断します。そのため、ディスクリプションの内容は、ユーザーが理解しやすい文章を意識し、閲覧する気持ちが湧き起こるような内容を心がけましょう。
また、画像には、どのような内容なのか説明する「altタグ」を設定しましょう。
④消費者が知りたい情報を網羅したコンテンツ作成
調整するべき対象は、タイトルや見出し、タグだけではありません。文章自体にも、「特定のキーワードで検索してWebサイトに辿り着いた消費者が知りたいであろう情報」を盛り込むべきです。競合記事で言及されている要素を重点的に押さえた上で、独自に実施したアンケート調査の結果などを踏まえたオリジナルの要素も加えましょう。
また、情報の鮮度も重要です。法律・制度が改正されている場合は、古い法律・制度ではなく、最新情報を紹介しなければいけません。「制作したら、それで終わり」ではなく、定期的にリライトし情報を更新することも大切です。
⑤文字コンテンツに加えて画像・動画コンテンツの活用
文字情報だけではなく、ビジュアルコンテンツ(画像や動画など)もあると、読み手に強い印象を残せます。フリー素材ではなく、オリジナルの画像・動画を制作・使用すれば、検索エンジンから評価されやすいでしょう。
また、画像検索の結果画面で上位に表示されると、画像検索経由でサイト訪問者を獲得できる可能性が高まります。消費者は、通常のテキスト検索だけではなく、しばしば画像検索も利用します。そのため、画像検索の結果画面から自社のWebサイトに流入するケースも無視できません。
「画像検索からの流入」という観点からも、質の高い画像コンテンツを活用するべきです。
⑥関連性の高いページへの内部リンク設定
検索エンジンは、内部リンクがあるページを発見しやすい傾向があり、重要なページとして位置付ける性質があります。内部リンクを設定すれば、検索結果画面の上位に表示されやすいでしょう。
なお、自社のWebサイト内にある関連性の高いページへの内部リンクを設置すると、回遊性が向上します。閲覧者がスムーズに情報に到達できるため、商品を購入してくれる可能性が高まります。内部リンクは、本文だけではなく、サイドバーやフッターなどにも設置可能です。
⑦外部サイトからのリンク設定
検索エンジンは、外部サイトからのリンクを獲得しているページを「有益なページ」とみなし、検索順位を上げる傾向が見受けられます。なお、関連性が低いWebサイトではなく、専門的な情報を公開しているサイト(権威があるサイト)からリンクされることが重要です。
アンケート調査の結果やオリジナルの図表・動画など独自のエビデンスがあるページは、引用される可能性があるでしょう。関係者(取引先など)にお願いして、自社のWebサイトへのリンクを設置してもらうこともご検討ください。
また、同じ分野を取扱っているメディアに費用を支払い、自社メディアへのリンク設置を依頼することも選択肢のひとつです。
ただし、無関係なメディアから大量に被リンクを獲得することや、被リンク評価を高める目的で作成されたリンク集に登録することはリスクがあります。
スパムリンクと判定されてWebサイトの評価が低下し、検索結果順位が低下しかねません。そのため、有料で被リンクを獲得することに頼るのではなく、適切な形で被リンクを獲得しましょう。
SEO対策を実施するメリット
上述したように、多種多様な施策でSEO対策が可能です。PDCAサイクルを回して施策を改善し、売上増や自社ブランドの認知度向上などのメリットを享受しましょう。
Googleの検索結果順位が上昇し、サイト訪問者が増加する
SEO対策を実施すると、Googleなど、検索エンジンの検索結果画面の上位に自社のWebサイトが表示されます。その結果、サイト訪問者が増加し、より多くの消費者がコンテンツを閲覧してくれるでしょう。現実世界であれば、交通量の多いエリアに店舗を出して営業しているイメージです。
一方、SEO対策を実施しない状態では、Webサイトを制作しても、少数の消費者しか閲覧してくれません。現実世界であれば、立地条件の悪い場所(交通量の少ないエリア)で営業しているイメージです。
なお、SEO対策していない状態でも、リスティング広告を活用すれば、自社のWebサイトへの流入増加を期待できます。リスティング広告とは、検索結果画面の上部などに表示されるWeb広告です。ただし、クリック数に応じて料金が発生する点にご留意ください。
広告経由ではなく、検索結果画面のリンクからの流入であれば、流入数が増えても費用が増加しないため、積極的にSEO対策を実施するべきです。
閲覧者に自社商品の購入を促せる
SEO対策を実施し、検索結果画面の上位に自社サイトが表示されると、訪問・閲覧する消費者が増加します。その結果、閲覧者の一部が、商品・サービスを購入してくれる可能性があります。検索結果順位が低い状態では、閲覧してもらうことが困難であり、幅広い消費者に自社商品の購入を促せません。
ジェトロ(独立行政法人日本貿易振興機構)によると、「売上が発生した企業の約7割がSEO対策を実施していた」という事実が判明しています。これは、ジェトロとAmazonが連携して実施した「JAPAN STOREプログラム」での結果です。
なお、「JAPAN STOREプログラム」とは、Amazon上に日本商品特集ページ「JAPAN STORE」を設置する取り組みです。
漠然と情報を検索している消費者に自社製品を認知してもらえる
検索エンジンで特定のキーワードを入力して検索する消費者は、必ず「商品・サービスを購入しよう」と考えているわけではありません。明確な目的がないまま、漠然と情報収集しているケースも多く見受けられます。
検索結果画面の上位に自社のWebサイトが表示されていれば、偶然、消費者が訪問してくれる場合もあるでしょう。その結果、商品やサービスの認知度向上、ブランディングにつながります。
SEO対策のデメリット
SEO対策を実施すると、企業は上述したメリットを享受できます。ただし、一定のコストがかかる他、すぐに効果が出ないケースもある点にご留意ください。
一定のコスト・人員が必要
上述したように、リスティング広告を出稿する場合とは異なり、検索結果画面のリンクからの流入であれば、流入数が増えても費用は変化しません。より多くの閲覧者を獲得したいのであれば、リスティング広告よりもSEO対策を実施しましょう。
ただし、SEO対策を実施するためには一定のコスト・人員が必要です。具体的には、ライターやイラストレーターに依頼する費用、SEO対策ツールの利用料、SEO対策の専門業者に依頼する費用などがかかります。
Googleのアルゴリズムは非公開であり、SEO対策は難しい
Googleでは、「クローラー」や「ロボット」などと呼ばれる巡回プログラムを開発・運用し、Webサイトの情報を収集しています。検索結果画面上の順位は、クローラーがWebサイトを調査した上で、独自の基準(アルゴリズム)によって決定されます。
アルゴリズムは公開されていないため、「絶対に順位が上がるSEO対策」は存在しません。過去の知見やGoogleが発表する方針(ガイドライン)を踏まえて、試行錯誤しながらSEO対策を実施しましょう。
すぐには検索結果順位が上昇しない
検索結果の順位決定アルゴリズムが公開されていない以上、SEO対策を実施しても、すぐには検索結果順位が上昇しない場合があります。
SEO対策によって検索結果順位を上昇させるためには、PDCAサイクルを回しながら試行錯誤し、粘り強く施策を改善し続ける必要があります。PDCAサイクルとは、以下のプロセスを繰り返して施策の改善や効率化を図る手法です。
- Plan(計画):目標を設定し、計画を立案する
- Do(実行):計画を実行する
- Check(評価):実行結果を評価・分析する
- Action(改善):施策を改善し、次の計画につなげる
なお、「今すぐ流入者数を増加させなければいけない」などの事情があり、即効性を求めるのであれば、リスティング広告の出稿を検討しましょう。
SEO対策に関する最新情報(2025年以降に求められる施策)
生成AIが急速に進化し、文章・画像などを生成できるサービスが多数リリースされています。今後は、SEO対策を実施する際に生成AIを上手に活用するべきです。
AIを活用してSEO対策を実施(タグ・見出しなどを設定)
生成AIツール(サービス)を活用すれば、キーワードを含むプロンプト(命令文)を入力するだけでコンテンツを自動的に生成できます。タグや見出しなどを設定する際に活用できる他、文章そのものや画像・動画も生成可能です。
Googleは「制作方法を問わず高品質のコンテンツを評価する」などの方針を示しているので、積極的に活用しましょう。今後は、生成AIを活用したSEO対策の一般化が予想されます。
人間の目でSEO対策を仕上げてGoogle検索結果上位を狙う
生成AIは有用ではあるものの、信頼性に欠ける内容を生成するケースもあるため、最終的には人間の目でチェックし、補完しなければいけません。
なお、今後は競合サイトもAIを活用してSEO対策を実施する時代に突入します。そのため、単にAIツールを利用するだけでは、差別化が難しいことにご留意ください。自社のWebサイトが検索結果上位を獲得するためには、インタビュー記事などの「独自コンテンツ」を充実させることが重要です。
「デジタルマーケティングEXPO」でSEO対策に役立つ外部ツールなどの情報を収集しよう
RX Japanが主催する「営業・デジタル マーケティングWeek」の「デジタルマーケティングEXPO」では、SEO対策に役立つツールなどが多数展示されます。
SEO対策にお悩みの場合は、ご来場の上、ツール・サービス・ソリューションに関する最新情報を収集してはいかがでしょうか。また、SEO対策に役立つツール・サービス・ソリューションを開発・販売している企業の場合は、新規顧客開拓のために、ぜひ出展をご検討ください。
下表に、「デジタルマーケティングEXPO」の開催地域・開催場所・日程をまとめました。
SEO対策を実施して、サイト・コンテンツの閲覧者を増やそう
SEOとは、「検索エンジン最適化」の略語です。SEO対策とは、Googleなどの検索エンジンで検索した結果画面で自社サイトを上位に表示させるための施策です。
Googleは、どのようなアルゴリズムで検索結果画面の順位を調整しているのか公表していません。そのため、検索結果の上位を狙うことは容易ではなく、試行錯誤しながら手探りで対応する必要があります。
社内のスタッフで試行錯誤しても上位に表示されない場合は、SEO対策に役立つ外部ツール・サービス・ソリューションをご活用ください。
RX Japanが主催する「営業・デジタル マーケティングWeek」の「デジタルマーケティングEXPO」では、SEO対策に役立つツールなどが展示されます。SEO対策にお悩みの場合は、ご来場の上、最新情報を収集しましょう。また、SEO対策に役立つツール・サービスを開発・販売している企業の場合は、新規顧客開拓のために、出展を検討してはいかがでしょうか。
▶監修:青井真吾 氏
プロフィール:大学卒業後はIT企業に入社。システムエンジニアとして大手企業向けのERPシステム開発を経験。その後独立し、人材派遣、不動産、自動車、ファッション、エネルギーなど多くの業界でDX推進などのITプロジェクトに従事。現在はAOIS Consulting株式会社を設立し、エンタープライズシステムの開発・導入を支援するITコンサルティングサービスを展開している。